ザ・ベストCDオブ "ショスタコーヴィチ交響曲第5番「革命」"
ニ短調 op47
今回、ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」のベストCDとして選んだのは下記の5枚。
新旧取り混ぜてのセレクションとなりました。
■ アンチェル(カレル) チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1961年録音
■ ハイティンク(ベルナルト) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1981年録音
■ ゲルギエフ(ワレリー) キーロフ歌劇場管弦楽弦楽団 2002年録音
■ ムラビンスキー(エフゲニ) レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1984年録音
■ バーンスタイン(レナード) ニューヨーク・フィルハーモニック 1979年録音
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」
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チェコ・フィル |
コンセルトヘボウ |
キーロフ歌劇場 |
レニングラード・フィル |
ニューヨーク・フィル |
の5枚です。では一枚づつご紹介いたしましょう。
■ アンチェル(カレル) チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1961年録音
コロムビアミュージックエンタテインメント (2003/07/23)
売り上げランキング: 8,354
アンチェルは大変耳の良い指揮者で、
どの演奏も音が透明でクリアなのが
彼の音楽の特徴だと思う。
この演奏も決して
情緒的な演奏ではないのだけれど、
透き通ったサウンドが、
逆に作品の中に潜む悲しみや、
自嘲や嘆きが、
聴衆に訴えかけるように響く。
彼がロシアのオーケストラを
指揮をした事があるかどうかは知らないけれど、
当時共産圏だったチェコの指揮者である為か
演奏解釈もソ連系の
”苦悩から歓喜へ”という解釈を踏襲するもの
といって良いかもしれない。
このアンチェル&チェコフィルによる演奏は、
集中力のある緊張感の漲っている演奏、
隠れた名盤として、
大いに聴く価値のあるものだと思う。
■ ハイティンク(ベルナルト) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1981年録音
ユニバーサルクラシック (2001/04/25)
売り上げランキング: 16,299
このハイティンクによる「革命」は
ヴォルコフによる「証言〜ショスタコーヴィチの回想録」が
公になった直後に出された音盤。
その演奏解釈をめぐって
注目を集めた時期でもある。
当時はこの演奏にショスタコーヴィチの
反体制的な意識を
聴きこうという気持ちが、
働いていたかもしれない。
あれから多くの時間が流れた今、
あらためて聴きなおしてみると、
ハイティンクの楽譜に正確で
譜面に記された作曲家の意図を、
忠実に再現
しようという演奏に聞こえる。
白でもない黒でもない
ニュートラルな演奏に聞こえる。
演奏は素晴らしいもので、
コンセルトヘボウを
目いっぱい鳴らしきっているのは、
やはりこの指揮者の優れた美点。
これまた名演といっても良いだろう。
■ ゲルギエフ(ワレリー) キーロフ歌劇場管弦楽弦楽団 2002年録音
ユニバーサルクラシック (2004/02/21)
売り上げランキング: 26,181
手兵、キーロフ歌劇場管弦楽団との録音。
ゲルギエフはウイーンフィルとの録音で聴くと、
かなりの豪腕振りを発揮しているようだけど、
このキーロフ歌劇場管弦楽団との演奏を聴くと、
お互い、気心の知れた中なのか、
かなりのエネルギッシュな音造りとはいえ、
音楽に自然さが感じられる。
このオーケストラ一昔前の(というかふた昔前位か・・)
ロシアのオーケストラとは
比べ物にならないぐらい、
弦は艶やかで、管は美しい音を出す。
ゲルギエフにとって
このショスタコーヴィチの交響曲第5番は
ベートヴェン流の”苦悩を通じての歓喜”
でもなく、
体制から”強制された歓喜”とも
思っていないような気がする。
そこにあるのはロマンの香りさえする、
古典的な名曲。
そう思っているかのような演奏。
新しい時代のショスタコーヴィチを感じさせる演奏。
全く持ってこれも名演。
■ ムラビンスキー(エフゲニ) レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1984年録音
ビクターエンタテインメント (1997/03/21)
売り上げランキング: 5,199
ムラヴィンスキーの奏でるショスタコーヴィチは、
高潔で厳しい音がする。
この厳しいたたずまいは、
ムラヴィンスキーの音楽家としての
完全主義的厳格さが、
音楽に抜き差しならない厳しさを
植え付けているのだろうと思う。
しかし、厳しさの中にも燃える情熱がある。
一音一音、鋭い彫刻刀で
刻まれてゆく音造りは
理性的のように見えるが、
燃え上がる白い炎が、
彫刻に刻まれた深い傷痕を、
浮き彫りにしてゆくよう。
結構、激しいのです。
この84年の録音の他に
同じコンビによる54年のモノラル録音、
78年のウイーンでの録音を聴きましたが、
54年盤は終楽章が燃えに燃え、
かなりの乱れまくり。
録音は少々音のバランスが悪く、
ヴァイオリンの前列の音が強調されてしまった感じ。
78年盤はムジークフェライン・ザールの
残響がたっぷり付いて来る、
と言う特典があるが、
音の輪郭が少々ボヤケ気味。
演奏はとても素晴らしい演奏ですが。
特に終楽章は圧巻!!
でもこの3枚の中では、
このムラヴィンスキー最晩年の
84年盤が一番演奏の
完成度が高く、
聴きごたえのある演奏。
(録音も良い)
という事で
ムラヴィンスキーは84年盤でエントリー。
1973年の東京文化会館でのライヴ盤
もあるようですが、
交響曲第5番《革命》 ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(1973) 受注739本 (入手困難)
コンポーザーXは未聴です。
■ バーンスタイン(レナード) ニューヨーク・フィルハーモニック 1979年録音
ソニーミュージックエンタテインメント (2004/11/17)
売り上げランキング: 14,372
日本の来日公演でのライヴ録音。
バーンスタインのライヴでの
熱い演奏が聴ける素晴らしい演奏。
圧巻は終楽章で、
終始、速めのテンポで押しまくる。
3楽章の静かに祈るような雰囲気と、
ガラリと雰囲気を変えた
終楽章の力強く、
熱い演奏が強く印象付けられる演奏だ。
でも3楽章のラルゴも、
バーンスタイン特有の、
ゆっくりと、
一音一音かみ締めるような演奏も、
やはりバーンスタイン一流のもの。
この演奏を聴くと、
3楽章はまさしく、
悲しいレクイエムに聴こえる。
バーンスタインという指揮者を
語る上でも、
聴いておかなければいけないCDの一つでしょう。
と言うわけでこの5枚の中の
ベスト・オブ
”ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」”は
いずれも素晴らしい演奏ですが
ムラビンスキーの正統的ソ連風「革命」が
大変、魅力的ではありますが、
ハイティンク&ロイヤル・コンセルトヘボウ
ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管弦楽弦楽団
の両者の完成度は大変なもの。
どちらかをベストCDに・・と思いました。
21世紀を迎えた新たなショスタコーヴィチ解釈・・
という事を考えると、やはりゲルギエフかなぁ・・
ということで
ベストCD オブ ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」は
ワレリー・ゲルギエフ 指揮
キーロフ歌劇場管弦楽弦楽団
2002年録音に
差し上げたいと思います。
ぱちぱちぱちぱち。
■ ゲルギエフ(ワレリー) キーロフ歌劇場管弦楽弦楽団 2002年録音
ユニバーサルクラシック (2004/02/21)
売り上げランキング: 26,181
コンポーザーX
http://composerx.livedoor.biz/
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コメントありがとうございます。
ゲルギエフの脂っこい演奏は好き嫌いがあるかもしれませんね。わたしもそれほど好きというわけではないのですが、当代これほどのレベルで演奏できる人はそう居ないと思います。ハイティンクは我が家の愛聴盤。アンチェルは布教活動をしたいくらい最近入れ込んでいますが、この演奏もほんとに素晴らしいですね。






